最も浮き沈みの激しい
ジョブ。
スクウェア・エニックスの修正で天国と地獄を往来し、古参の
プレイヤーなどが何度も地獄を見る羽目になった。開発陣にひたすら翻弄されるその凄絶な盛衰史は
黒魔道士最強伝説として語り継がれている。
この浮き沈みの極端さが如何に黒魔道士のバランス調節が困難であるかを物語っている。そういった紆余曲折の結果、二度に渡る氷河期を
ケアルタンクで耐え忍んで来た彼らである。
今日では、
精霊魔法の威力アップにより、一時期の氷河時代からは完全に脱出し、状況による
魔法の使い分けにより、
プレイヤースキルが判断される難しい時代に突入している。
少なくとも、
プレイヤー自身の欲望を優先し、どんな状況においても
精霊魔法を思わず使ってしまう、といった姿勢は批判の対象になりうるのは間違いがない。
ただしどんな謙虚な黒魔道士でも、その本願が「
魔法による
攻撃手」である事は今も昔も変わらない。
黒魔道士が本来想定されている役割は強力な
精霊魔法を駆使して、敵に
大ダメージを与える事である。
黒魔道士を
メインジョブにしている
プレイヤーの気持ちも当然同様である。
しかし、実際には
FF11における黒魔道士の全うすべき役割は状況に応じて下記のように多岐に及ぶ。
- メイン黒魔道士として後方アタッカーとして、削り役を務める。
- サポートジョブを白にする事により、ケアルや状態異常回復を補助する。白魔道士がいない場合には、メインヒーラーを務める場合もある。
- サポートジョブを赤にする事により、グラビデやディスペル等、赤魔道士がいない場合のサポートを行う。
上記のように、黒魔道士の本来の仕事のイメージと
プレイヤー自身の黒魔道士として行いたい行動と、現実にやらなくてはならない行動(もしくは
パーティメンバーに頼まれてしまう仕事)は必ずしも一致するとは限らず、理想と現実が乖離するケースに対しての不満が募っている
プレイヤーも多いと思われる。
一般的に、黒魔道士の
精霊魔法は
とてとて以上の強さの敵を倒すのに重宝される。
つよや
とて相手でも十分強いのであるが、その程度の強さの敵を狩る場合、相対的に
物理攻撃を得意とする
ジョブの
与ダメージ能力が飛躍的に上昇し、黒魔道士がわざわざ
MPというリソースを使用して
ダメージを与える必要性が薄れるため(と、いうよりは明らかに
MPがもったいない場合が多い)、
つよや
とてクラスの強さの敵と戦う場合、黒魔道士が
精霊魔法を使う事に対して強い抵抗感を感じる他
ジョブメインの
プレイヤーも多い。
本業に専念し、
精霊魔法を用いて敵に
ダメージを与える仕事を任される場合においては、ほぼトップクラスの
紙装甲と貧弱な
HPを引き替えに強力な
ダメージを与えるのが
PTに於ける彼等の役割であるが、一旦敵から標的にされると簡単に死ぬので常に全力を出せる訳ではない永遠のジレンマを抱える。また、その見極めこそが当
ジョブを操る面白さでもある。ただし、
マナウォールを用いると最大95%まで
被ダメージ(
MPが消費されるが)を
カットすることができ、限定的ではあるもののあらゆる
ジョブを凌ぐ硬さを見せ付けることができる。
また、
精霊魔法に専念できるような状況の場合、
MPさえあれば、瞬間的にはどの
ジョブも追従できないほどの
火力を持つため、黒魔道士は(
釣り役とならんで)
チェーンの持続や
ヒーラーの
MP管理を行うことにより、
パーティのペースメーカー的な役割を果たすこともできる存在である。
以上のことから、状況により、よりベター、或いはベストな行動をする事ができるか否かについては
プレイヤーの能力に依存する部分が多い。
精霊魔法を用いて
アタッカー役に徹するのが最適ではない場面でも
精霊魔法を連射する(このケースは割と頻度が高く、
墨と蔑称で呼ばれ、仲間に忌み嫌われる)、またはその逆に
精霊魔法の
与ダメ能力が必要な場面であるにも関わらず使用しない(このケースの場合は
里と蔑称されるが、黒自身のメンタリティの傾向からプロファイルすると稀であると思われるが)と言った、
パーティの為にベストを尽くすという観点において誤った選択を選ばない事と言った若干大きな視点での
戦術的な観点での行動の選択をまず問われる。現在では
ヘイト調整によって気にすることが減ったものの、
ターゲットを取らない立ち回りを求められることもあり、
FF11というゲームにしてはやや繊細な
プレイヤースキルを必要とする
ジョブである。
FF1から登場している古参にして定番の
ジョブであり、さまざまな関連作品にも出演を果たしている。
FF1以外は一貫して「顔が真っ暗で目が黄色、
とんがり帽子に暗青色の
ローブ」という姿であり
FF1では下位
ジョブである黒魔術師が、後のシリーズでいう黒魔道士の姿。
、「銀河鉄道999の車掌みたい」とよく言われている。
FF11ではおなじみの顔面真っ暗になっていない理由は【
ウィザードアタイア】の項目を参照。なお
アルタナミッションに登場する
Robel-Akbelが、従来の黒魔道士をイメージさせる容貌をしている。
FF1では黒魔術師がクラスチェンジすることで黒魔道士になるという、上位
ジョブの位置づけであった。
FF3では、
FF1とは逆に黒魔道士が下位の
ジョブであり、「魔人」という上位
ジョブが存在していた。8
ランクあるうちの
ランク7までしか
黒魔法を使用できなかったものの、魔人に
ジョブチェンジできるのはストーリー後半であり、それまで十分に活躍の場が存在していた。
FF4では仲間
キャラのパロムが黒魔道士であった他、ミシディアの村に黒魔道士をはじめ多くの
魔道士たちが暮らしていた。さらにパロムではない普通の黒魔道士が、主人公セシルとともにパッケージイラストに大きく描かれていたりする。
FF5で登場した際には
ジョブの上位・下位は撤廃されており、
黒魔法の専門家は黒魔道士に統一されたのだった。
FF9においては仲間
キャラのビビをはじめとして多数の黒魔道士が登場したが、それらは「黒魔道士族」とでも言うべき
種族であった。
FF10では仲間
キャラのルールーが初期状態で黒魔道士的特徴をもっており、
黒魔法を連発する「テンプテーション」というオーバードライブ技を有していた。
FF12のオリジナル版では未登場だが、インターナショナル版のゾディアックジョブシステムにて登場を果たしている。
この他
FFTシリーズの
ジョブに採用されていたり、
聖剣伝説シリーズでは黒魔道士と同じ格好の
モンスターが出てきたり、
チョコボシリーズでは「クロマ」という一人の
キャラクターになっていたりする。
この活動の幅広さから、
白魔道士と並んで
FFを代表する
ジョブであるといえるだろう。
なお
FFシリーズの楽曲をロックアレンジするバンド「
THE BLACK MAGES」は、もちろん黒魔道士が名前の由来である。