7・2パッチ

「悪夢」の一週間として、最初期であるにもかかわらず現在でも語り草となっている、2002年7月2日に導入されたFFXI史上最悪のパッチ。
主なパッチの内容は後述。
公式サイトではバージョンアップ履歴を記載しているが、2002年のものは記載されていない。それでも2002年末期のバージョンアップを記したページ自体は残っておりリンクが張られていないだけである。本項を始めとする一部履歴は既にPOLから削除されており閲覧が出来ない。

当時は以下のような告知が行われていた。

ほとんどのユーザーがこのパッチを歓迎せず、抗議のメールが殺到したともいわれ、僅か2日後には修正の発表が行われ、一週間後の2002年7月9日には、これらの影響を緩和するパッチがあてられるも、以後二度と以前の難易度に戻される事はなかった。

開発側にとって倒せると想定してなかった、修道窟のOrcish Overlordを一部の廃人が倒してしまったことがこのパッチ導入の引きがねと言われる。モンスターの名称は明らかにされていないものの、それを裏付けるようなコメントが公式から発表されている。

修正の内容は、「レベル格差に伴う命中率修正の強化」つまりレベル差による（数値として従前よりあった命中・回避値の絶対差による）当たりにくさとは別に（相対的な）補正を入れること。「レベル差補正」のことである。
つよ、とてには全く攻撃があたらなくなり、パーティプレイよりソロプレイの方が効率がよくなる、という事態を引き起こした。事情を知らない多くのプレイヤーがパーティプレイで命を落として、悲嘆に暮れたという。前衛ジョブにとっては、ある程度以上の敵と戦わないと武器スキルを青字にできないのに、強い敵ほど攻撃がことごとく当たらないという状態が発生した。

同時期に戦士のアビリティ・挑発が弱体化され、ヘイト管理という概念を生み出す一方、ケアルでMobに蓄積されるヘイトが格段に上昇し、一度ケアルIIを使うと、戦士三人の挑発でも剥がれないという事態を引き起こした(後に緩和)。

また、精霊魔法のレベル格差による魔法レジスト率の強化も2002年7月9日のバージョンアップから導入され、黒魔道士にとっても悪夢のパッチとなった。その内容は精霊魔法はおなつよに対してさえも50%以上レジストされるというかなり極端にレジストされることとなり、「驚きの白さ」や「漂白時代」に代表される、黒魔道士大災厄期間の端緒ともなった。

その時プレイヤーが狩っていた「とても強い」敵はスクウェア・エニックスにとっては狩ってはいけない敵であり、新たに「狩りには適正ではない」レベル帯として「とてとて」を導入したものの、ヴァナ･ディールの冒険者達は、ほどなくして「とてとて」狩りもパーティプレイの選択肢の一つとしたことは周知の通りである。

なお、本パッチをもって、「パッチ＝弱体」というトレンドが出来たという見方がある。つまり、7・2パッチは『おまえらレベルあがんの早すぎｗ 修正されるねｗｗｗ』というメッセージであり、パッチの方針の根底にあるのは弱体主義思想であることのあらわれ。」という受け止め方である。弱体でバランスをとるのは楽かも知れないが、ひとたび与えられたものを奪われることに拒絶反応を示すのは決して不自然ではない。そのため、「弱体ではなく強化で調整をして欲しい」という声も多数のユーザーから聞かれている。

プレーヤーによって感じ方は様々であろうと思われるが、7・2パッチの出来の悪さがこうした議論の嚆矢となったのは否めない事実であり、MMORPGにおけるゲームバランスの調整と対ユーザー・コミュニケーションの難しさを示すエピソードとして長く語り継がれることになるだろう。

また、7・2パッチの後も不評を買ったバージョンアップは少なくないが、「7・2パッチよりはまし」という悟ったような意見が見られている……。幾分かはネタであるが、同時に7・2パッチの衝撃によって問題のあるバージョンアップへの評価が多少甘くなるのも事実である。

7・2パッチ詳細。POLに残っていないためwatch impressから。
「watch.impress（2002/7/2）」

本項バージョンアップの1週間後に行われたもの。
「watch.impress（2002/7/9）」
「バージョンアップ（2002年7月9日）」

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