フェンリル(ふぇんりる/Fenrir)
召喚獣フェンリル 編
クエスト「月の導き」をクリア後、フェンリルと契約すると召喚できるようになる。20年前の戦争の時にヴァナ・ディールから姿を消しており、ホルトト遺跡に封印されているといわれている。原因はウィンダス鼻の院の研究者が調査中である。さらに詳しいことが知りたい時は、ウィンダスミッションを進めていくとよい。
ハウリングムーンが闇属性であることから闇の神獣かと思われがちだが、実際は闇属性に対する耐性を一切持っていない。ゆえにブラインやスリプルが効いてしまう。召喚したのにスリプルを受けて何もできなくなるという歯がゆい思いをした召喚士も多い。
またPCの召喚したフェンリルの移動速度は普通だが、敵が召喚したフェンリルはとんずら並の爆速である。デュナミス-ボスディンでとんずらしているのに殴られ続け、これまた歯がゆい思いをした人もいるのではなかろうか。
契約のための条件 編
召喚士の実装当初、カーバンクル以外の6属性の召喚獣について用意された契約のためのクエスト「試練」には、事実上Lv60以上のジョブを持っていることが前提であった。その後「試練・改」シリーズのクエストが実装され、駆け出しの冒険者でも様々な召喚獣と契約することが不可能ではなくなった代わりに、フェンリルがベテラン冒険者のみに許される形となっている。フェンリルとの契約には、最低でも火・氷・風・土・雷・水の6属性召喚獣を余裕で撃破できるレベルの冒険者でなければ困難である。また高レベルの人員を集めたとしても、高確率のDAつきの高速攻撃、全段ヒットすれば最大HP近くからでも倒される特殊技の数々、あらゆる強化魔法を容赦なく吹っ飛ばすルナーロア、そして見る者すべてに絶望を与えるハウリングムーンなどがあり、習得が難しい召喚獣であった。他の召喚獣に比べて通常攻撃の面でも契約の履行の面でも大変優れており、苦労に見合うだけの価値がある反面、上記理由からフェンリルを召喚できない高レベル召喚士も少なくなかった。
フェンリルは攻撃の激しさに比べHPはあまり多くないため、黒魔道士複数による精霊ピンポン、いわゆる黒PTでの攻略が可能である。近接されない、与TPが低く特殊技を受けない、強化魔法を消されても火力が落ちない、INT差の関係上前衛ジョブより魔法ダメージに強い、といった上記の難点をクリアできる特徴を持つため、通常編成より攻略は容易である。
その後は長く続いたLv75キャップ時代が終了し、アイテムレベル装備も追加されたことで、ジョブによらずソロでの討伐も可能となっている。
名称 | Lv | MP | 対象 | 効果時間 | 履行種 | 分類 | 属性 | TP修正 | 修正項目 |
ハウリングムーン | 1 | 全MP | 敵範囲 | - | 幻術 | 魔法 | 闇 | × | INT |
究極履行(アストラルフロウ効果時間中のみ) 闇属性範囲攻撃 | |||||||||
ムーンリットチャージ | 5 | 17 | 敵単体 | - | 幻術 | 近接 | 打 | 命中率修正 | VIT |
1回攻撃。追加効果:暗闇 (連携属性:収縮) | |||||||||
クレセントファング | 10 | 19 | 敵単体 | - | 幻術 | 近接 | 突 | ダメージ修正 | STR |
1回攻撃。追加効果:麻痺 (連携属性:貫通) | |||||||||
ルナークライ | 21 | 41 | 敵単体 | - | 験術 | 魔法 | 闇 | × | × |
命中率ダウン 回避率ダウン | |||||||||
ルナーロア | 32 | 27 | 敵範囲 | - | 験術 | 魔法 | ? | × | × |
魔法効果消去(2つ) | |||||||||
上弦の唸り | 43 | 46 | PT範囲 | 180 | 験術 | 魔法 | - | × | × |
能力値アップ(STR/DEX/VIT/AGI/INT/MND/CHR) | |||||||||
下弦の咆哮 | 54 | 57 | PT範囲 | 180 | 験術 | 魔法 | - | × | × |
命中率アップ 回避率アップ | |||||||||
エクリプスバイト | 65 | 109 | 敵単体 | - | 幻術 | 近接 | 斬 | ダメージ修正 | DEX |
3回攻撃(連携属性:重力/切断) | |||||||||
ルナーベイ | 78 | 174 | 敵単体 | - | 幻術 | 魔法 | 闇 | ダメージ修正 | INT |
闇属性攻撃 | |||||||||
ヘヴンズハウル | 96 | 96 | PT範囲 | 60 | 験術 | 魔法 | 闇 | × | × |
エンドレイン or エンアスピル | |||||||||
インパクト | 99 | 222 | 敵単体 | 180(短縮あり) | 幻術 | 魔法 | 闇 | ダメージ修正 | DEX CHR |
闇属性ダメージ。追加効果:STR、DEX、VIT、AGI、INT、MND、CHRダウン。 |
出典 編
フェンリルは、北欧神話に登場する神々と敵対した巨大な狼である。巨人族の血を引くロキと女巨人アングルボザとの間に生まれた三兄妹の長兄であり、他の兄妹はヨルムンガンド(ミドガルズオルム)とヘルである。
神話では、フェンリルが後々災いをもたらすだろうと考えた神々は、彼を捕縛しようとあらゆる足枷をつけてみるがすべて壊されてしまう。そこで小人ドゥエルグに依頼して、猫の足音、魚の息、女の髭、熊の腱、山の根、鳥の唾液から作られた魔法の鎖グレイプニルを用意する。オーディンが後で外すという約束でグレイプニルで縛ろうとするが、不審に思ったフェンリルは自分の口に誰かの手を入れておく事を要求する。そこで軍神テュールが右手を入れてグレイプニルで縛られると、切れない鎖である事を気づきようやく騙されたと知る。こうしてテュールは噛み千切られた右手を代償に、ラグナロクまでフェンリルを縛り付けておくことに成功する。
後にラグナロク時に解放されたフェンリルはオーディンを飲み込むが、彼の息子ヴィーダルによって討たれてしまったとされる。
ファイナルファンタジーシリーズのフェンリル 編
初出はFFVI。召喚時の技「ハウリングムーン」は、この時は味方全員に敵の攻撃を回避する分身をつける技であった。
FFIXではエーコの召喚獣として登場。通常は「大地の怒り」という地属性攻撃を行うが、アクセサリ「おとめのいのり」を装備していた場合のみ「千年の風化」という風属性攻撃に変化するという、隠された能力を持っていた。
余談だが、映像作品「FINAL FANTASY VII ADVENT CHILDREN」では、主人公クラウドの乗るバイクに「フェンリル」の名前が与えられている。