汎魔

記事名読み
はんま
汎用ヘッド魔法戦フレームを組み合わせたオートマトンのこと。
弱体魔法回復魔法を両立し、白魔法戦ヘッド黒魔法戦ヘッド実装される前はからくり士ソロ時に優秀な存在のひとつであったが、白魔法戦ヘッド実装後はそちらがほとんどの面で優れているため、あまり扱われなくなっている。

この項目では、2007年8月28日のバージョンアップから2007年9月11日の緊急アップデートまでの僅か2週間のみ存在したオートマトンの異常挙動の代表、もしくはそれを前提とした戦法のことを記述している。

魔法使用間隔がゼロになるという飛躍的な性能向上が見られたが、直後のバージョンアップによって修正された。
明らかに異常な挙動であり修正は必然という見解がベースにあった一方、これこそがオートマトンの能力を十全に発揮している姿である等の希望論も飛び出すなど、バグ発覚から修正までの間、からくり士達に大きな影響を与えた。
以下にその経緯をネトゲ実況からくり士スレを参考に記述する。



2007.8.28 泡沫の夢 汎魔誕生
このパッチは多くのプレイヤーに「両手武器の劇的上方修正」として知られるが、両手武器に縁が薄いからくり士にとっても「オートマトン」のスキル上限アップ、新ヘッド白魔法戦ヘッド黒魔法戦ヘッド)の追加が公式からの告知と共に実装される等なかなかに大きな変化があった。

加えてこのパッチのとき、告知外の重大な仕様の変化が発覚した。「魔法メインにしないヘッド魔法を使えるフレーム」を組み合わせると、魔法使用間隔がゼロになるというものである。

それ以前のオートマトンの動きは、ジョブが赤のザコ獣人を想像して頂ければ良い。
一度魔法を使うと、どのような高位魔法だろうと、低位魔法だろうと、一定の休憩を挟まなくては次の魔法を使わなかった。
からくり士オートマトンもこの例に漏れず、このパッチ以前の汎魔は35秒の休憩を毎回必要としていた。
その連射能力の遅さから、敵に弱体魔法を完備する前に倒したりマスターへのケアルが遅れて見殺しにすることが少なくなかったため、どうにもメジャーになりきれなかった。

しかし2007.8.28パッチにより、その連射に必要な休憩時間がゼロ秒となり、特に汎魔は「開幕赤魔道士ソロのごとく一気に弱体魔法を行う」「マスターHPが減少すると即座にケアル回復」「大ダメージならば短時間に連続でケアルを連射して立て直す」「出し入れを併用すれば事実上MPが無限」という特徴を持ちソロ活動の支援に非常に有効な存在となった。

これにより、今まで廃人装備サポ忍で身を固めた一部のからくり士のみがつよをなんとか狩れていたものが、ユニクロサポ忍に頼らず、からくり士としての能力のみでつよをマンガを読んでいてもチェーンするほど狩ることが可能となった
注釈1
当時はサポ戦ソロつよが3チェーン以上など容易に実現できた。


魔法使用間隔の束縛から解放され、刻々と変化する戦闘の状況に追随できるようになった汎魔の劇的な変化は、からくり士オートマトンに新しい可能性をもたらすものであった。これにより「やっとからくり士は始まった」と言う者までいた。
実際、からくり士ソロにしろパーティ戦闘にしろ、他のジョブより特別に優れているところが無かったため魅力が高いとは言えない状態だった。しかし飛躍的に改善された呪文投射能力を備えた汎魔オートマトンは、他ジョブに比してもオンリーワンの魅力のひとつと成り得る存在だったのである。

汎用魔法汎魔の略称もからくりスレ内で定着し、また汎魔=ハンマというカタカナ表記からの連想やその極端な性能の変貌ぶりからマンガ「グラップラー刃牙」の主人公「範馬刃牙(はんまばき)」になぞらえる向きもあった。

しかし、告知も無いのにこのような重大なバランス変更が行われることに疑問を感じた同志も少なくなかった。

2007.8.31 公式の修正発表
その3日後、公式から確認されたバグのひとつとして以下の一文が発表された。

■特定のヘッドフレームの組み合わせにおいて、オートマトン
 常に魔法を詠唱しようとしてしまう。

この記述にからくり士スレでは解釈が分かれた。

汎魔の能力は高く、存続を望む者も少なくは無かった。
それゆえ、魔法使用間隔が修正されないという解釈方法が存在するこの一文に一抹の期待を寄せる者もいた。
しかしながら、あまりに突出した能力やバグ然とした挙動から「魔法使用間隔ゼロ」という仕様は修正されるであろうという意見も根強かった。実装直後からの度重なる初期不良とペットジョブとしての調整の難しさに鍛えられた多くのからくり士たちは、ある種の諦観をもって審判の日を待ち受けた。

予感はあったのであろう。パッチ直前にネ実に立ったからくり士スレッドは、涙なくしては読めない小説
注釈2
ダニエル・キイス『アルジャーノンに花束を』。SF小説。早川書房から邦訳が出版されている。日本でテレビドラマ化もされた。アルジャーノンに花束を
のタイトルをもじったものになった。

汎魔魔法使用間隔変化はバグか仕様か。「パンクラティオン実装と共に下された結論は、「バグ」であった。結局、使用間隔2007.8.28以前と同様に修正され、汎魔は突如得たその突出した呪文投射能力を、僅か2週間で失うこととなった。
これら一連の出来事を通じて、オートマトンはそのステータスなど能力面では十分にプレイヤーに迫ることは可能だがAIの問題で制限されていることが一層明らかとなった。

まとめ
からくり士はあまりに甘美な夢を見た。
いつかは醒める夢だと諦観していた者、醒めるまでは夢を楽しもうと割り切った者、夢よ醒めるなと望んだ者、醒める夢なら見させるなと恨んだ者。からくり士達の反応は様々であった。またこのことが原因で起きた無用な諍いを悲しむ者もいた。

スクウェア・エニックスも罪作りなことである。

そして2週間で夢は終わった。それでもからくり士の相棒は変わらず主人の隣で一生懸命、一見やる気のなさそうなしぐさで動いている。一瞬与えられた機敏な知性(AI)を剥奪され、元のちょっと魔法詠唱の反応の鈍い存在に戻ったとしても。
関連項目
からくり士】【2007年8月28日のバージョンアップ
外部リンク
2007.08.28 バージョンアップ
2007.08.31 バージョンアップで確認されている不具合について:続報
2007.09.11 バージョンアップ

コメント表示/書き込み コメントはありません