ネナベ

記事名読み
ねなべ
ネットワーク上で男性(♂)として振舞っている女性(♀)。「ットオナベ」を略した表現。
逆に男性がネットワーク上で女性として振舞うことは「ネカマットオカマの略)」と云われる。

ネットワークコミュニティ用語として、FF11以前より広く使用されている用語。ネカマほどは浸透していない用語であるかもしれない。
オンラインゲームであるFF11は、プレイヤー性別に関係なくキャラクターの種別性別を選択することが可能な為、一般的なコミュニケーションサイト(掲示板、チャット、メーリングリスト等)に登場するネナベと比較すると、その存在に関する問題性の深刻さはあまりないものの、若年プレイヤーの中には「キャラ性別プレイヤー性別」と頭から信じている者も多い。
某大手FFXI公式サイトの「中の人アンケート調査」(約2000人が回答)によれば、特定の種族(ミスラヒュム♀、エル♂)以外は実に8割以上のプレイヤーが「キャラ性別プレイヤー性別」として自身のキャラクターを作成する傾向にあるようだ。
注釈1
ちなみにヒュム♀の2.5人に1人、ミスラの2人に1人は男性であるという結果が出ている。

ロールプレイ(RP)等の「なりきり」プレイをするプレイヤー側はある程度モラルを守る姿勢は必要だろう。

背景
基本的にプレイヤーが本人の性別に関係なくキャラクターを作成し冒険すること自体は何ら問題がない。
画面上で好みの異性キャラクターを使用し、自分好みの台詞の言い回しや立ち振る舞いをするという行為は、他人へではなくまず自分自身へそのキャラクターの存在感を際立たせるという、個人的な楽しみを与えてくれる。それは「なりきり」プレイの原動力といえるかもしれない。
そしてリアル性別とは違った性、キャラクターを演じることで変身願望が満たされ、より具体的、創造的にキャラ設定を楽しみ、深みにはまっていく「なりきり」マニアもいる。
また「なりきり」プレイを始めるきっかけとして、セカンドキャラクターとする倉庫キャラに、自分好みの異性キャラを選択したこと等もあげられる。その場合、ファーストキャラクターが十分成長していたり、友人と行動を共にしている最中でその場から動かせない代わりに、本能に忠実に、思い切り自分好みに育ててみる、といった過程でなんとなく「なりきり」プレイ(RP)へ移行、ネカマネナベという現象が発生、といった流れになりやすい。

女性の場合、かっこいい男性キャラを使用したいという気持ちに加え、女性キャラクターを使う際の交流トラブルや、異性間の問題を回避したいが為に、気楽な男性キャラクターを使用して意図的にネナベを演じるケースも少なくない。
逆に男性の場合、ネカマとしてリアル女性と偽る事で、男性プレイヤーからの貢物を期待する等といった行為も少なからず報告されている。
そのイメージに加え、ネカマ以外の一般男性は、女性が男性を演じること以上に、男性が女性を演じることに対して生理的嫌悪を抱きがちな為、とかくネナベよりネカマのほうが叩きやネタの対象となりやすいようだ。

なお、長年RPに慣れたプレイヤー(TRPG等のプレイヤーに多い)の中には、キャラ萌えれば中の人性別なんてどうでもいい、と言う猛者も存在する。このようなプレイヤーは、あくまでゲーム上のキャラでのRP,キャラ遊びとして「中の人性別を気にする方が無粋」と言う考えを持つケースが多い為、リアル性別を気にする人とは相容れない事も多いようだ。

ネナベの実態

某大手FFXI公式サイトの「中の人アンケート調査」(約2000人が回答)によると、エルヴァーン男性の4人に1人は女性であるようだ。
またネナベが自身のキャラクターを選ぶ際に、エルヴァーン男性(エルオス)のF1(真ん中分け)、F2(ボサ髪/ブロント顔)、F7(カッパ)のフェイスタイプが人気が高いという報告もある。現実世界同様、女性が憧れる長身美形のキャラクターが選ばれがちなのは至極自然な現象ともいえよう。
女性プレイヤーの存在が気になる殿方は、相手が男性キャラだからといって横柄に接しないほうがいい―――たぶん。
注釈2
ネナベの見分け方として噂されるのが、フェロー種族性別である。男性は自分のフェローを思い浮かべて欲しい。果たしてむさくるしい男性キャラを連れて歩きたいと思うだろうか? ということは、♂フェローを連れたエルヴァーン男性は多少ネナベの可能性が高いといえる。某サイトのアンケート調査でも、女性は♂フェローを選択する場合が多いとの結果がでている。勿論全く保証はできない。神のみぞ知る、である。


男性キャラを使用するのみでなく、一人称を「俺」「僕」とし、自分が男性であるというエピソードを創作、ひたすら男性として振舞う「完全なりきり」派。
また普段は男性として振る舞い、時折女性だと匂わせる言動を演出、周囲に「もしや?!」と思わせて気を引く「思わせぶり」派。
ネナベはそういった行為を、仮想空間ならではのプレイだと肯定的に捉えている場合が多い。
一方それを「他人を騙す行為」と感じ快く思わないタイプの人間もいる。そのあたりは心に留めておく必要があるだろう。

また格闘ゲーム等で男性キャラを選択する感覚でキャラクターを作成したところ、いつのまにか周囲から男性認定され、今更打ち明けられなくなってしまった「なりゆき」派も存在する。
注釈3
ごく稀なケースとして、ネナベを演じる強者男性(そちらの趣味の人?)もいるらしい。頭を抱えるしかない。


いずれにせよ、女性のツボを女性であるネナベ自身が心得ている為か、理想の男性を演じていたら周囲の女性からモテモテになった、という複雑な状況に陥りやすいのは、ネカマと同様である。
好きなあの子がリアル同性だった、というケースは日常茶飯事、詳しく聞いてみたらお互いネカマネナベだったなど、中の人の背景も悲喜こもごも。
中には男性キャラ同士、あくまで同性としていちゃいちゃするのが趣味、という女性プレイヤーまで存在する。

以上は「なりきり」プレイ(RP)に馴染みのない人間にはピンとこない世界かもしれない。
ある「なりきり」マニアは、別の性別&人格を演じるという行為に、長年連れ添ってきた「自分」という呪縛からの解放感をおぼえる、という。
仮想空間とはなんとも奥が深い世界だといえよう。

カミングアウト
ネナベであっても仲間には性別を打ち明けている者もいれば、リアルフレやごく一部のフレにしか公表していない者、一切口を開いていない者と様々である。一般的に後者になっていくほど、カミングアウト時の周囲の反感は高まりやすい。

しかしネナベがカミングアウトする際(ネカマと比較すると)周囲の否定的反応は軽くて済むことが多いともいわれている。「もっと親しくしていれば!」などと(ネカマとは違った意味で)気づかなかったことを悔しがる男性プレイヤーもいるとか、いないとか。
むしろ性別による扱いの差に寂しい思いをしているネナベが、女性だと打ち明けることで男性プレイヤーの対応が変わることを見越したうえで、最後の切り札としてカミングアウトすることもあるようだ。

関連項目
ネカマ】 【エルヴァーン】 【エルオス】 【RP

コメント表示/書き込み コメントはありません