ネナベ
基本的に
プレイヤーが本人の
性別に関係なく
キャラクターを作成し冒険すること自体は何ら問題がない。
画面上で好みの異性
キャラクターを使用し、自分好みの台詞の言い回しや立ち振る舞いをするという行為は、他人へではなくまず自分自身へその
キャラクターの存在感を際立たせるという、個人的な楽しみを与えてくれる。それは「なりきり」プレイの原動力といえるかもしれない。
そして
リアル性別とは違った性、
キャラクターを演じることで変身願望が満たされ、より具体的、創造的に
キャラ設定を楽しみ、深みにはまっていく「なりきり」マニアもいる。
また「なりきり」プレイを始めるきっかけとして、
セカンドキャラクターとする
倉庫キャラに、自分好みの異性
キャラを選択したこと等もあげられる。その場合、ファースト
キャラクターが十分成長していたり、友人と行動を共にしている最中でその場から動かせない代わりに、本能に忠実に、思い切り自分好みに育ててみる、といった過程でなんとなく「なりきり」プレイ(
RP)へ移行、
ネカマ、
ネナベという現象が発生、といった流れになりやすい。
女性の場合、かっこいい男性
キャラを使用したいという気持ちに加え、女性
キャラクターを使う際の交流トラブルや、異性間の問題を
回避したいが為に、気楽な男性
キャラクターを使用して意図的に
ネナベを演じるケースも少なくない。
逆に男性の場合、
ネカマとして
リアル女性と偽る事で、男性
プレイヤーからの貢物を期待する等といった行為も少なからず報告されている。
そのイメージに加え、
ネカマ以外の一般男性は、女性が男性を演じること以上に、男性が女性を演じることに対して生理的嫌悪を抱きがちな為、とかく
ネナベより
ネカマのほうが叩きや
ネタの対象となりやすいようだ。
なお、長年
RPに慣れた
プレイヤー(TRPG等の
プレイヤーに多い)の中には、
キャラに
萌えれば
中の人の
性別なんてどうでもいい、と言う猛者も存在する。このような
プレイヤーは、あくまでゲーム上の
キャラでの
RP,
キャラ遊びとして「
中の人の
性別を気にする方が無粋」と言う考えを持つケースが多い為、
リアル性別を気にする人とは相容れない事も多いようだ。
某大手
FFXI非
公式サイトの「
中の人アンケート調査」(約2000人が回答)によると、
エルヴァーン男性の4人に1人は女性であるようだ。
また
ネナベが自身の
キャラクターを選ぶ際に、
エルヴァーン男性(
エルオス)のF1(真ん中分け)、F2(ボサ髪/
ブロント顔)、F7(カッパ)の
フェイスタイプが人気が高いという報告もある。
現実世界同様、女性が憧れる長身美形の
キャラクターが選ばれがちなのは至極自然な現象ともいえよう。
女性
プレイヤーの存在が気になる殿方は、相手が男性
キャラだからといって横柄に接しないほうがいい―――たぶん。
男性
キャラを使用するのみでなく、一人称を「俺」「僕」とし、自分が男性であるというエピソードを創作、ひたすら男性として振舞う「完全なりきり」派。
また普段は男性として振る舞い、時折女性だと匂わせる言動を演出、周囲に「もしや?!」と思わせて気を引く「思わせぶり」派。
ネナベはそういった行為を、仮想空間ならではのプレイだと肯定的に捉えている場合が多い。
一方それを「他人を騙す行為」と感じ快く思わないタイプの
人間もいる。そのあたりは心に留めておく必要があるだろう。
また
格闘ゲーム等で男性
キャラを選択する感覚で
キャラクターを作成したところ、いつのまにか周囲から男性認定され、今更打ち明けられなくなってしまった「なりゆき」派も存在する。
ごく稀なケースとして、
ネナベを演じる強者男性(そちらの趣味の人?)もいるらしい。頭を抱えるしかない。
いずれにせよ、女性のツボを女性である
ネナベ自身が心得ている為か、理想の男性を演じていたら周囲の女性からモテモテになった、という複雑な状況に陥りやすいのは、
ネカマと同様である。
好きなあの子が
リアル同性だった、というケースは日常茶飯事、詳しく聞いてみたらお互い
ネカマと
ネナベだったなど、
中の人の背景も悲喜こもごも。
中には男性
キャラ同士、あくまで同性としていちゃいちゃするのが趣味、という女性
プレイヤーまで存在する。
以上は「なりきり」プレイ(
RP)に馴染みのない
人間にはピンとこない世界かもしれない。
ある「なりきり」マニアは、別の
性別&人格を演じるという行為に、長年連れ添ってきた「自分」という呪縛からの解放感をおぼえる、という。
仮想空間とはなんとも奥が深い世界だといえよう。
ネナベであっても仲間には
性別を打ち明けている者もいれば、
リアルフレやごく一部のフレにしか公表していない者、一切口を開いていない者と様々である。一般的に後者になっていくほど、カミングアウト時の周囲の反感は高まりやすい。
しかし
ネナベがカミングアウトする際(
ネカマと比較すると)周囲の否定的反応は軽くて済むことが多いともいわれている。「もっと親しくしていれば!」などと(
ネカマとは違った意味で)気づかなかったことを悔しがる男性
プレイヤーもいるとか、いないとか。
むしろ
性別による扱いの差に寂しい思いをしている
ネナベが、女性だと打ち明けることで男性
プレイヤーの対応が変わることを見越したうえで、最後の切り札としてカミングアウトすることもあるようだ。
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