「
カンタレラ」は、15世紀末期から16世紀初頭のイタリア・ルネッサンス後期に実在したロドリゴ・ボルジア(
教皇アレクサンデル六世)とその息子チェーザレ・ボルジアが使用したとされる
毒薬。ボルジア家は古来の毒物学に新しい
知識を加えて
屍毒の調合法を編み出したといわれる。
撲殺した豚の内蔵に亜砒酸を加えたもの
とされているが、詳細は不明。調合の仕方によって、長期にわたって少しずつ効果を及ぼすことも、一瞬で標的を殺すこともできるという。
なお、「
カンタレラ」とはイタリア語で「ゆする」という意味である。
歴史家グイチャルディーニやブルクハルトなどの書物によって、欧米ではボルジアの名とともに有名な
毒薬であり、文学作品にもしばしば登場するが、薬物としての
カンタレラそのものについては伝承、噂の範囲である。