FINAL FANTASY IX

記事名読み
ふぁいなるふぁんたじーないん
ファイナルファンタジーシリーズ9作目。発売元はスクウェア(現スクウェア・エニックス)。2000年にプレイステーション用ソフトとして発売。

ストーリー
様々な種と、様々な国家が共存しあう世界。

「霧の大陸」有数の大国であるアレクサンドリア王国の王女ガーネット。そして彼女の誘拐計画を企てる盗賊団タンタラスの一員ジタン・トライバル。偶然にも行動を共にする黒魔道士の少年ビビ。彼らを中心とした幾多の人々の思惑と行動が交錯する時、物語はこの世界の成り立ちそのものにまで発展する。

そしてそれは、ジタンの知られざる出生をも――。

登場人物
名前ジョブ備考
ジタン・トライバル表向きは劇団だが、その実は盗賊団の「タンタラス」のメンバー。ある意味において最強のコマンド「ぬすむ」が使用可能。敵から「ぬすむ」ことのできるアイテムにはポーションなどの回復アイテムのほか、かなり強力な武具が含まれていることもある。極端ではなく、この「ぬすむ」で得たアイテムだけでも、終盤まで問題なく回る。
ガーネット・ティル・アレクサンドロス・17世召/白王国の方針に疑問をもち、出奔を決意する。自分を誘拐しようとした「タンタラス」を利用し、怪しまれずに逃げ出すことに成功した。「召喚」と「白魔法」のコマンドが使用可能であり、トランス中に強化されるコマンドも「召喚」の方(※エーコは白魔法強化される)と召喚士としての個性付けがされているものの、妙に燃費の悪い「召喚」よりは「白魔法」で回復役に徹させるプレイヤーが多かった。
ビビ・オルニティア子供なのは間違いなさそうだが、それ以外の素性は一切が不明の黒魔道士。見た目はそのまま、FF1の黒魔道士である。お祭り見物のため(?)に王国にきていたが、成り行きで「タンタラス」のメンバーと行動を共にすることになる。
エーコ・キャルオル白/召召喚士の生き残り。頭に生えた角は飾りではない。唯一の召喚士の生き残りとして、召喚獣モーグリとともにひっそりと暮らしていたが、立ち寄ったジタンに片想いし、共に旅をすることになる。彼女がジタンに宛てたラブレターが、後に予想もしないロマンスを生み出すことになる。かなり罪つくりな少女である。
アデルバート・スタイナー王国の騎士団隊長。融通の利かない、よく言えば実直な性格。非情で冷血な女将軍ベアトリクスとよく衝突する。両者とも、自分の任務に忠実であり、仲間と認めた者に対する思いやりに篤い点では同じであるのだが・・・。通常のコマンド「剣技」の他、ビビと協力して「魔法剣」を使うことができる。
フライヤ・クレセントネズミ族の女竜騎士竜騎士の毎度おなじみ技、「ジャンプ」が使える。このジャンプトランス中敵全体に対してダメージが与えられる。
クイナ・クゥエンク族と呼ばれる種族青魔道士。恐ろしいことに敵を「たべる」ことで技をラーニングする。歴代青魔道士のご多分に漏れず、ラーニングした技次第ではかなり強くなる。
サラマンダー・コーラルジタンを付けねらう暗殺者。かなり腕はたつが、群れることを嫌い、単独での行動がほとんどであるらしい。「なげる」コマンドが使用可能だが、当然ながら投げたアイテムは戻ってこない。
ランク「タンタラス」のメンバーのひとりで、ジタンの兄貴分。無愛想だが手下たちの面倒見がよく、皆に慕われている。
ベアトリク隻眼の女将軍・・・というと、サンドリアのあの方を思い出すかもしれない。方針の違いから、スタイナーとはよく衝突する。使用武器は「セイブザクイーン


評価
本作のコンセプトはわかりやすい。即ち「原点回帰」である。

初代ファイナルファンタジーから大きなモティーフとされながらも、シリーズを重ねるごとにその印象が薄れていったクリスタル。あるいは中世的な舞台設定、黒魔道士ビビの外見に端的に現れる過去のファイナルファンタジー的なグラフィック。表面的には牧歌的なストーリー展開と、三頭身のリアルとはいえないキャラクタ。機械文明への比重を高めたFFVIFFVII、さらにリアリスティックに変貌したFFVIIIと比べ、はっきりと過去のファイナルファンタジーへの接近が見られる。

モティーフとは別に、本作は過去のFFへの接近が見られる。たとえば初代ファイナルファンタジーの敵であったガーランドと四人のカオスや、FFIIの物語を流用した文章。アイテムや人名の引用ではなく、はっきりと過去の作品を利用するのは、ファイナルファンタジーシリーズとしても珍しいことである。

当時はプレイステーション1から2への移行期だったこと、発売当初に攻略系の情報を一切公開させなかったことなどが影響して、売り上げは前作FFVIIIには及ばなかった。また、続編やスピンオフ展開のあるFFVIIFFXほどの広がりは見せなかった。
注釈1
FFXIに同梱されたテトラマスターFrom FINALFANTASY IX、ジタンが登場するDISSIDIA FINAL FANTASYシリーズなど、ないわけではない。


FINAL FANTASY XIとの関連性
ゲーム内
FF9ではサブストーリーに「ここ掘れチョコボ!」というミニゲームが存在し、チョコボがくちばしで地面を掘ると様々なアイテムが手に入る。FF11チョコボ掘りの原型と見ることができる。

またFFXIと同じくプレイオンラインの「テトラマスター」はFF9の世界をモチーフとしている。

ゲーム外
FF9は長年雑誌や書籍でのゲーム内の情報公開が禁止されていた。


これはプレイヤー同士が情報交換をして遊んで欲しいという坂口博信の意向で、一部の難度の高いダンジョンのみ例外的に掲載されたが、雑誌での連載だけでなくムック書籍の販売も例外ではなかった。

しかし公式サイトPlayOnlineではFF9の攻略サイトが公開されており、実態はスクウェアミレニアムで発表したオンライン構想への商業的な布石であったと思われる。

FF9から続いたスクウェアミレニアム3部作は、オンラインゲームFFXIの発売を持って終了し、2002年すべての情報規制が解禁され無事に書籍化を迎える事になった。


「ファイナルファンタジーIX」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(http://ja.wikipedia.org/)。2008年7月25日17時(日本時間)現在での最新版を取得。

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