公式サイトでは
ヘキサガンのことを「複銃身の短銃」、英語版では「multi-barreled revolver(複銃身の回転式拳銃)」と呼んでいる
ことから、おそらく19世紀前半にアメリカで流行したペッパーボックスピストルという回転式拳銃がモデルと思われる。
今日よく知られる回転式拳銃は、銃身が1つで弾倉が回転する機構を持っているが、当時このような機構は高価であり、普及はしていなかった。これに対し、ペッパーボックスピストルは銃身と弾倉が一体になっており、弾倉と共に銃身も回転して次弾を発射するようになっていた。
つまり、複数の穴の開いた銃身は1度に多量の弾を発射するのではなく、連射するためのものである。
ヘキサガンに代表される短銃の
隔が短いのはこのあたりに由来するものと思われる。ただし、
ヘキサガンは銃身の中心部(軸となるはずの部分)にも銃口があるなど、全く同じ機構というわけではないようだ。
ペッパーボックスピストルは安価な上に引き金を引くだけで連射できるようになっていたことからこの銃は大流行したが、当然のことながら太い銃身は重く、また
命中精度も悪いという欠点を持っており、後に薬莢式の高性能な銃が登場すると廃れていった。