リアルの
フナずしは、
熟鮨と呼ばれる食べもので、フナを米とともにつけ込み長期熟成させる発酵
食品である。
寿司の源流にあたり「スシ」の読みはこれらの
食品が酸味を有するため「酸し」が変化したものであるといわれている。これに対し、発酵を行わず飯に酢で酸味をつけた鮨は、作ってすぐ食べられることから早鮨と呼ばれた。
熟鮨の歴史は古く、ほぼ米の歴史と変わらないとまで言われている。早鮨が登場したのは江戸時代に入ってからで、当初は押し鮨が主流であった。更に気の短い江戸っ子が、押す手間まで惜しんで作り出したのがにぎり
寿司だと言われている。
寿司が究極のファストフードと云われる所以がこれで、決して究極に高価なファストフードと云う意味ではない。
ちなみに一般的なファストフードの定義は「予め全部又は一部を
調理済の状態で用意し、注文後即客に提供できる形態であること」。そのため、厳密にはモスバーガーはファストフード店ではない。
原始的な熟鮨は米を発酵の道具に使うだけで、食すのは魚の身のみである。したがって、カテゴリは
穀物料理よりは
魚介料理のほうがふさわしい気もする。
そもそも、食べる頃になるともはや米が原形を留めていない。発酵期間の短い熟鮨は米と共に食するものもある。“早なれ鮨”と云われている「バッテラ」や「柿の葉すし」は、飯と共に食べる。