アイテムを何らかの方法で複製する不正行為。
MMOにおけるゲームの市場経済に与える影響は極めて深刻であり、時にはゲームそのものを破壊するほどの威力を秘めた、非常に重大な不正行為である。
オフラインゲームにおける「裏技」等とは異なり、多数の
プレイヤーが参加する
オンラインゲームにおいては、不正な利益を享受することは他の多数の
プレイヤーに不利益を強いることにつながる。そのためゲームの運営者は、こうした不正行為に対しては厳罰を以って臨む傾向にある。
こうした不正行為は、開発者の想定しないゲームシステムの死角を利用して行われる。残念ながらゲームの開発者は全能ではなく、様々なゲームタイトルでしばしばシステムの穴が発見され、
Dupeが行われてきた。高価な
アイテムを複製できれば莫大な利益が上がるため、このような不正行為に手を染める
プレイヤーは後を絶たない。
しかし、ゲーム内の
プレイヤーの行動が全て
サーバー側に記録されていることを考えると、謂わば「監視カメラ付きの部屋の中で偽札を刷っている」ようなものである。殊に
FFXIの場合、
デジョン合成や2009年の
インスタンスエリアにおける
アイテム複製の件等で証明されたように、過去一年間(ないしそれ以上)にわたる行動ログが把握され、精査することが可能である。
運営側が慎重に、しかし厳しく対処する姿勢を示していることもあり、今のところ
FFXIについていえば、幸いにもこうした
Dupeは割に合わない不正行為となっていると言える。
競売での落札手続き中のラグを利用した
Dupe。2002年の7月、
ネ実に報告され広く知られるところとなった。
落札手続き中に
所持金の全額を他
キャラに
トレードすることで、
ギルを支払うことなく落札ができるという
バグを悪用して、適当な
アイテムを高額出品し、自己落札するという手法。これを繰り返すことで、瞬く間に巨額の
ギルが
Dupeできてしまう悪質なものであった。
事態が明るみに出た翌日には早々に
競売が停止された。また
スクウェア・エニックスからは以下のようなコメントが出され、
Dupeに対しては
アカウント停止も含む厳しい措置で臨むことが予告された。
以前にも告知をさせていただいておりますように、私達は不具合を悪用した不正行為に対して断固とした姿勢で臨み、これらの行為を禁止するとともに、行為が発覚した場合には、
プレイオンラインからの強制退会までの厳しい措置を執る用意があります。
そして発覚から5日後の2002/7/12には以下のような告知がなされ、具体的な発表はなかったものの、予告された通りの「適切な措置」が執行されたものと思われる。