曲亭馬琴(滝沢馬琴)著「南総里見八犬伝」に登場する八剣士の一人、犬塚信乃戍孝の持つ刀、「
村雨丸」から引用されている。
もと関東管領・足利持氏の所有であったが、信乃の祖父の代に幕府に反乱を企てて持氏は敗死。持氏の子春王丸に譲られていたが、春王丸が捕らえられいよいよ敗色濃厚となった際に、春王丸の近習をしていた祖父大塚匠作から信乃の父番作(後に犬塚に改姓)の手に託され、やがて成長した信乃の所有となった。物語の終盤に足利成氏(春王丸の弟)に返却される。
殺気を込めて抜くと、刀の茎に露が滴り、人を斬ると水気は流れる程となって、
村雨のごとく血潮を洗い刃を汚さぬことから、
村雨丸と名づけられたという。
尚、後に水の
エフェクトを発する
叢雨丸が
実装されていることから、こちらは実在する刀、
村雨助廣の可能性がある。こちらの
村雨は津田越前守助廣が42歳の時の作で、法量83センチ鵜首造りの豪刀である。切先のみ両刃で、梵字や倶利伽羅が刻まれている。
こちらの号の
村雨は切れ味を表す形容詞であり、
村雨に伴う一陣の風で葉が切れるほどの切れ味を意味する。
現在は行方が解らなくなっており、話によると2017年の
太刀展示会にて出品され、6500万円で台湾のコレクターの手に渡ったとされている。