道芝の露とは道端の草につく露のように儚いものという意味で、和歌にも詠まれる。
また特に刀の場合は、草の葉についた露がするりと落ちるように切れ味が鋭いという意味でも用いられる。
豊臣家の家臣木村重成が大阪夏の陣に臨み、これが最後の戦いとなるだろうが見苦しい姿は晒すまいと、身体を清め髪には香を焚きしめて出陣、力戦奮闘するもついには討たれてしまう。
重成の兜の緒はもはや解く必要が無いと固く結ばれて端が切り落とされており、また重成の佩刀の茎には『
道芝の露 木村長門』と記されていた。
首実検をした家康は、重成の死に臨んでの嗜みと覚悟を賞賛したという。