職人気質なクリエイターと言える。
作品の製作にあたっては、一切の妥協を許さずゲームシステム、ストーリー、演出、その他の一切において徹底的にこだわりぬく事で知られている。
SFCでのタクティクスオウガの製作においては、当時のハードウェアでは不可能だと思われていた、視点変更自在の疑似3Dビューの描画エンジンを構築、その上に緻密な戦略バトルシステムを組み上げることでマニアを驚嘆させた。さらに、民族紛争や人種差別を扱った深みのあるシナリオ、単純な善人や悪人の登場しない、実在感のある
キャラクター。そして全9部作に渡るオウガバトルサーガの張り巡らせた伏線など、物語作りに於いても傑出した才能を見せる。またシステム面では、家庭用ゲーム機としては初の
リアルタイムな
オンラインヘルプシステムを搭載し、初期の
キャラクター設定シーンでは、さりげなく当時の先端技術だった3Dポリゴンによる演出が組み込まれるなど、技術と演出の双方で抜きんでた、驚異的な工夫が凝らされている。現在では当たり前となった、これらの仕様も当時クロック周波数がたったの3MHz、
メインメモリを64KBしか搭載していないSFCという貧弱なハードウェアで、これほどまでに高度なゲームシステムを組み上げた事で、発売当時はゲームファン達の度肝を抜いたのである。
その後も「ベイグラントストーリー」などでは自身が徹底してチェックを行い、
キャラクターを半歩進ませては360°視点を動かしてポリゴン欠けがないかを確認したと言う。そうして生み出された数々のゲームは芸術の領域と言える深い感動を
プレイヤーにもたらし、熱狂的なファンを多く抱える
坂口博信もその一人であり、シミュレーション
RPG好きな坂口を虜にしたのもオウガバトル二作であった。
。
が、その結果、と言うかそれが故にゲーム開発は極めて遅いクリエイターとしても有名で、発売の延期と言う問題が常に付きまとっていた。
また、ダーク
ファンタジー性の強いシナリオや高い難易度、独特の台詞の言い回し(語尾に「ッ」をつける、「ん」は「ン」と表記される、など)は好みが大きく分かれやすい。