白き未来/ネタバレ

記事名読み
しろきみらい ねたばれ
白き未来』は、水晶大戦以降、本来ヴァナ・ディールがたどるはずだった『黒き未来』を改変した「偽りの未来」である。

本来のヴァナ・ディールは、闇の王率いる獣人血盟軍によって事実上壊滅させられ、各国の首都は陥落、指導者や主要人物は軒並み戦死水晶大戦勃発から20年が経過した現在でも、人類と獣人との血みどろの戦いは、収束するどころか他の大陸まで戦火が広がっている。

この惨状を嘆いた女神アルタナは、歴史が変わることを願いケット・シー達を生み出した
注釈1
ケット・シーの言う「戦争で流される涙を救う」「女神様の願い」とはこのことである


歴史の改変
そこでケット・シー達はアトモスを通って過去へと赴き、水晶大戦に介入した。未来を知るケット・シー達の暗躍により、次々と敵の先手を打つことが可能となった人類は、絶望的に不利だった情勢を覆すようになる。
さらにバラバラだった各国が女神アルタナの名の下に「アルタナ連合軍」を結成、反攻を開始。ボスディン氷河ザルカバード、そしてついには敵の本拠ズヴァール城までも陥落させた。

こうして闇の王は討ち取られ、アルタナ連合軍獣人血盟軍に勝利。『白き未来』が誕生した。
改変された歴史によって『黒き未来』は「起きなかった」ことになり、時間とともに消滅。世界は平和になった。
……はずだった。

黒き未来からの来訪
しかし、いまだ血で血を洗う凄惨な戦いを続ける『黒き未来』の住人にとっては、この行為は到底受け入れられるものではなかった。
戦乱にあえぐ不幸な歴史であったとしても、人々が多くの血と命を引き換えに懸命に紡いだ未来であり、それを一方的に「なかったこと」にするこの改変を、認めることなどできなかったのである。
そこで『黒き未来』の指導者であるレディ・リリスと、その部下の冥護四衆らは、アトモスを通って過去へ赴くと、ケット・シー達の介入を退け、闇の王と結託。人類優勢へと傾いた状況を、再び獣人優勢へと改める
注釈2
本来であれば獣人を倒すべき立場でありながら敵とも協力する行為は矛盾ではあるが、白き未来は自分達で勝ち取ったものではない、与えられた偽りの勝利であるとして、レディ・リリスはこれを拒否する。それは彼女が託された未来の否定、願いの否定、戦うために黒き神に魂まで捧げた自分自身の否定でもあるのだから。


このケット・シー達とレディ・リリス一派による、介入と再介入の繰り返しにより、未来は二つに分かれてしまった。

暁の神兵
そして冒険者アトモスに吸い込まれ、この争いの真っ只中へと送り込まれることとなる。
これはアトモスが「不要な未来を喰らう」ためにその選定をさせようとしたのか、あるいは歴史改変の繰り返しに決着をつけさせようとした、女神の意志によるものなのかはわからないが、いずれにせよ冒険者リリゼットはこの改変に協力。レディ・リリスおよび冥護四衆と敵対することとなった。

未来を知るもの同士の介入合戦は、冒険者リリゼットの『白き未来』の勝利に終わった。
しかし、レディ・リリスの正体を知り、また彼女の記憶を見ることでその想いを理解してしまったリリゼットは、黒き未来の消滅を望まず、その存続――つまり同位体である彼女自身がレディ・リリスとして『黒き未来』へ赴くことを決断する。
リリゼット冒険者、「女神の双翼」である二人が対称点となって、一つしかない未来を二つの未来へと分かつ。こうして「不要な未来」は生まれず、どちらの世界もアトモスの「歴史を喰らう」対象から外れることになった。

白と黒、二つの未来は、それぞれが確定した歴史として今後も紡がれていくことだろう。

だがこの結果、リリゼット冒険者は、お互いが二つの未来、それぞれの根拠となったため、二人が同一の世界に存在することはできなくなってしまった。

いまだ戦いを続ける『黒き未来』であったが、リリゼット=新たなレディ・リリスの存在により、幾分かその状況を好転させているらしい。

黒き未来』に属する闇の王の軍勢との戦いで、「閉じた禁断の口をこじ開けられてしまった」、「空間の連結をゆがめる」といった表現があることから、いまだ二つの未来は完全には分離できていないことが明らかになっている。
といっても、以前のように介入を行うことは容易ではないらしく、「時の降り積もる地」ウォークオブエコーズまでが精一杯らしい。

リリゼット冒険者、同じ世界に同時に存在しえない二人は、「世界のどこでもない場所」で、ひとときながら再び手を取り合うのだった。

関連項目
白き未来
黒き未来

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