地球世界では、ウーツ鋼は一般にダマスカス鋼とも呼ばれ、古代から近世にかけてインドのウーツ地方で生産された高品質な鋼である。その多くがシリアのダマスカスで加工されたためダマスカス鋼という呼称で知られるようになったが、本質的に両者は同じものである。
表面に幾重にも年輪のように層をなした、うねる様な波状の美しい縞模様を持つ。その層の正体は鉄の炭化物カーバイドであり、炭素の含有量の違う鉄が薄い層を成して何重にも重なり合っている。結果として、硬いが脆い高炭素鋼と柔らかいが靭性に富む低炭素鋼が緊密に組み合う構造となっており、両方の性質を併せ持つ、折れず曲がらない理想的な性質を実現している。現在高級
ナイフに使用されるような、異種の鋼材を鍛接して折り返し鍛造を繰り返した鋼材と同じ構造であるが、ウーツ鋼の伝統的な製法の場合には
坩堝のなかで冷却
硬化する過程で一体的に異種の鋼を生じる点が異なる。
またウーツ鋼の不均一な組成は、ウーツ地方産の
鉄鉱石に含まれる特有の不純物によるとも言われており、
ヴァナ・ディールにおける
ウーツ鉱はそういった特殊な組成を持つ
鉄鉱であるとも考えられる。
上記
レシピにはローズウッドが含まれているが、伝統的な製法では同様に生木を
坩堝に入れたとされるので、おそらくそれを参考にしたものと思われる。生木を溶鋼に投入するのは木中の有機物を利用した還元操作であると思われ、微妙な炭素量の調節と、加えて前述したような縞模様を生み出す不均一な炭素濃度を生み出すことを目的としていると考えられる
アイテムの説明中で「加炭」と表現されている部分と思われる
。