エンターブレイン刊行の
FFXI公式設定資料集。初版発行は2005年1月5日。特典DVDビデオディスクが付属する。
FFXIの刊行物にかけては全般に評判の悪い、
ファミ通編集部が手がけた書籍の中で、唯一例外的に優良書とされる。と言っても
ファミ通の
FF11攻略
スタッフが数名関わる程度で、実際の所は別チームが制作したと言って良い(ゲーム映像企画部)。
本書の基盤となる
メインソースは、
FF11世界設定の根幹である
岩尾賢一氏から提供されたもの。そのため、
ヴァナ・ディール トリビューン等に多くの類似点が見られる(若干表記が変わっている)。各イラストワークは
皆川史生(史緒)氏/池田タプオ氏/スズキセブン氏を起用。
基本的に
スクウェア・エニックスから提供された
素材と、作家の挿絵イラストで構成された書籍であるため、
ヴァナ通などに見られる身内ノリ要素は皆無。結果してそこが評価を高めた要因となる。
三国家樹立~
水晶大戦以降までの歴史が網羅されており、本書を読む読まないで
ヴァナ・ディールへの没入感に天地の差が現れるほど。また
アルタナの神兵の発売により、本書が再評価されつつある。
同発売元ではオマケ程度の評価になりがちなDVDも、独自性を持ちノベラナイズされた映像の評価は良く、今日においても希少な世界設定資料集でありながら、ボリュームが若干欠ける本書を補填した付録となっている。
特に歴史の点に関しては数ある設定文献のうち最大の量と質を誇る。B.C.3000~
C.E.884までの年表と、第二次
コンシュタット会戦の時系列戦況図は必見。
刊行時期がまだ
プロマシアの呪縛リリース後の時期に当たり、当然のことながら、
近東に関する資料はフォローしていない。また近年、
岩尾賢一氏が
イベントや公式
HPで明らかにした
ヴァナ・ディールの歴史は、結果して本書の内容をさらに補完する形となった。