貞宗は、相州伝を完成した
正宗の子とも弟子とも伝えられる相模国鎌倉住の刀工
。現存作品はすべて無銘だが、短刀の一部に本阿弥家による
鑑定銘が朱漆で入れられている。
そのうちの一口が名物
朱判貞宗と呼ばれるものであり、重要文化財に指定されている。
また、徳川八代将軍吉宗の命により作成されたいわゆる享保名物帳にもその名が記されている。
朱判貞宗は近代まで加賀前田家に伝来したとされるが、2015年現在は法人所有となっており、文化庁の登録美術品制度により広島県福山市のふくやま美術館が保管している。この制度は登録美術品の積極的な公開を義務付けており、同美術館にて展示公開されることがある。