大戦終了後、
ミスラ傭兵の多大な功績に報いる方法に、
元老院は頭を痛めていた。荒れ果てた国内に彼女たちを喜ばせるような財宝は既になく、かといって
放置していれば、彼女たちが不穏分子にならないとも限らなかったからである。
長い討議の末、ひとつの妙案が生まれた。それは、当時それほど開発の進んでいなかった
森の区に、百年の居住権と限定的自治権を与えよう、というものである。これが
聖都の中にありながら、異国情緒漂う
ミスラ居住区の始まりである。
当初、町暮らしには馴染めないのではないかと、
ミスラたちに
森の区は不評であったが、快適な
魔法設備が利用できるうえ、獲物を売りさばく市場も近く、意外と過ごしやすいと分かると、近隣の
カザムや遠く南方の国からも次々と仲間を呼び寄せ、続々と人口を増やしていった。
その後、
ミスラたちは勝手に
ダルメル牧場を作るなど、
元老院が目を三角にするような事件も引き起こしたが、何とか
種族的な反目に至る事態は避けられてきた。
しかし、
ヤグード族に対する、昨今の
元老院の弱腰外交には、腹に据えかねている者も多く、
ミスラたちの間で新たな火種として燻りつつあるようだ。
ファイナルファンタジーXI 公式設定資料集 ~Life in Vana'diel~P35より