昆吾と言うのは遙か昔、中国神話時代の末期に盛隆した夏王朝に朝貢する属国の一つにその名を確認する事が出来る。青銅など金属を精錬するのに長けていた国だったようだ。
ただし、設定を見る限りではこの
昆吾鉄という名称は、おそらく中国の伝奇『海内十洲記』から採ったものであると思われる。
『海内十洲記』は漢の文官である
東方朔が武帝に語ったとされる物語で
、彼が見聞きしたという海中に浮かぶ十の洲(しま)についての記述であり、道教的な神仙世界が描写されている。
その中に、西海の十九万里の彼方にある流洲という国に関する記述がある。山川や積石が多いため流洲は別名を昆吾と呼ばれている。その石を精錬すると鉄をつくることができ、その鉄で鍛えた剣は水晶のように輝いて洞窟を照らし、玉を泥のように
割ることができるという
流洲在西海中,地方三千里,去東岸十九萬里。上多山川積石,名為昆吾。冶其石成鉄,作劍光明洞照,如水精状,割玉物如割泥。亦饒仙家。
。
伝統的に
FFシリーズは、世界各地の神話・伝承を元
ネタとして取り込むことに貪欲であるが、西洋的ダークヒーローのイメージのある
暗黒騎士専用鎧の
素材として中国道教風味のものを持ってくる辺りまことに節操がなくて、ある意味いかにも
FFらしいと言えるかもしれない
。