ヴァナにおいては
蜂の姿であるが、ベルゼブブ(ベルゼバブとも)は巨大なハエの姿をとる悪魔で、そのものズバリ「
蝿の王」の異名を取っている。
悪魔の中でも高位のいわゆる魔王として扱われることが多く、そのせいか本作に限らずゲームにもボス
キャラとしてしばしば登場する。その場合、
ヴァナ・ディールに限らずゲーム内に登場する
昆虫系の敵の姿があてがわれることは珍しいことではない。
もっとも「
蝿の王」
実装時に存在した
ヴァーミン類の中では、
蜂よりもむしろ
フライ族の姿の方がまだ蝿との接点はあるような気がするが。
「たかが蝿」であるにも関わらず高位の悪魔であるのは、その由来にあると思われる。
オリエント系神話において、高位の神と崇められる「バアル」に気高いという意味の「ゼブル」という単語を合わせ、「バアル・ゼブル(偉大なる主)」と呼ばれる嵐や豊穣の神がいた。しかしヘブライ人の文化に取り込まれる際に、オリエント世界での豊穣を祈る性的な儀式からか邪教神として扱われ
近隣諸国の神が別の立場、扱いで他教に現れることは多い。
、語呂の良く似た「バアル・ゼブブ(
蝿の王)」と蔑まれた。
これがキリスト教に含まれる際に高位の悪魔として定着したものと思われる。キリスト教は唯一神信仰ゆえ、他教における神が「神に対抗しうる者」「神に敵対する者」として悪魔と呼ばれることが多く、バアルもその一柱であった。