讃岐丸亀藩主である京極家が所有していたという刀。平安~鎌倉時代の備中青江派の刀匠である貞次の作。
おちゃめな名称から色物と思われがちだが、れっきとした重要美術品(世が世なら国宝級)である。
丸亀城は
幽霊・妖怪出没の噂のある城だったが、
幽霊斬りの伝説を持つこの刀を所持していたお陰で
祟りを受けなかったという。
元々、2尺5寸という長刀だったが、後に1尺9寸9分(脇差のサイズ)に磨り上げ(長さを詰めた)ため、
FF11では
片手刀として登場しているものと思われる。
この刀の「
幽霊斬り」のエピソードは以下のようなもの。
近江国八幡の辺りに中島某という領主がおり、領内で
幽霊出没の噂が立った。
中島が備中青江派(現岡山県倉敷市辺りを本拠とした刀工集団)の刀を持ち現場に赴くと、女がひとり子供を抱いて立っている。女が「お殿様に抱いてもらい」というと子供が走りよって来た為、斬り倒すと手ごたえはあったが子供の姿は消えた。続いて女が「にっかり」と笑い、「私も抱いて下さい」と近寄って来た為、返す刀で斬るとやはり女の姿は掻き消えた。
翌朝日の出を待って再度現場に行くと、苔むした石塔が二基、斬られて転がっていたという。
斬った人物は浅野長政の家臣であった、
幽霊の正体は地蔵像であった、等諸説ある。
現在は香川県の丸亀市立資料館が所蔵しており,一般公開されている。