変な語感が気になる名前だが、実は信仰に殉じた人々の悲哀に満ちた名前でもある。
ラッパリーとは、もともとはアイルランド語の「ハーフ
パイク」または「
パイクを操る男」を意味する単語がなまったもの。
17世紀イギリスの名誉革命の最中、アイルランド地方で繰り広げられたウィリアマイト戦争の際、イングランド議会らによって王座を追われたジェームズ2世の復権を求めた反革命派、
ジャコバイトのゲリラたちをこう呼んだ。
当時アイルランドではカトリックが主流なのに対し、イングランド議会はイングランド国教一色であり、カトリック信者であることが公然の秘密とされていたジェームズ2世の返り咲きによるカトリックへの寛容を期待した活動であった。
結局、彼らの奮闘にもかかわらず革命は成立し、
ジャコバイト達は
解散、ゲリラたちは馬車強盗や盗賊に身を落とした。それ以降、アイルランド語では、ラッパリーは盗賊を意味する言葉となった。