1.明治以前の日本に存在した化粧法「お歯黒」
既婚女性、稀に男性は歯を黒く染める慣わしがかつて日本社会では存在した。これを
御歯黒と言い、むらなく艶のある漆黒に塗り込めたものが美しいとされた。審美観が変化した現在では、お歯黒を美しいものとはとらえられておらず、一部の伝統芸能の世界以外では廃れている。
2.ジョウビタキの異称
尉火焚と書く。尉というのは白髪のことで頭頂部の色からこう呼ばれている。
ジョウビタキにはスズメと絡んだエピソードがあり、昔ジョウビタキとスズメは姉妹だった。ある日2匹が化粧をしていたとき(=お歯黒をしていた)、母親の危篤の知らせがあった。スズメはお歯黒を途中でやめたので母親の死に目に会えたが、ジョウビタキは止めなかったので死に目に会えなかった、というもの。ジョウビタキとスズメの口元が黒いのはお歯黒の後であるという言い伝えである。
くない類は鳥の名を冠しているものが多いため、由来はこちらである可能性が高い。