ブリンクやストンスキンといった強化魔法や、デジョン等のお役立ち魔法、あるいはシグネットやアルカナキラーといった魔法では得られない効果のあるもの等、様々な種類が存在する。
他のMMORPGではPC強化として語られることが多いことから、さしずめ「装備に付加された神秘的な力を意識的に消費してPCを強化する」と言った具合だろうか。ただし一部のエンチャントアイテムは敵に対して効果を発揮することから、『FFXI』では必ずしもPC強化という縛りはない。
ウィンドウの見方
エンチャントアイテムを選択すると画面に以下のようなウィンドウが表示される*2。例を示しながら説明する。コーテッドシールド
防6 エンチャント:シェル
Lv36〜 戦白赤シナ獣侍
<(A)20/20 (B)0:30/[(C)30:00, (D)0:30]>
- 「エンチャント: 使用することで得られる効果」この例の場合はシェルの効果が得られる。
- (A)はチャージ数を表す。残り使用回数/使用上限回数 で、当然0になると使用できなくなる。例外として、1/1と表記されるものは何回使っても残り使用回数が0になることがなく、無限に使用できる。
- (B)はカウンターで、使用可能になるまでの時間を表す。カウントダウンが0になると使用できるようになり、アイテム欄に青色で表示される。単位は 分 : 秒、1時間以上の場合は 時 : 分 : 秒 の表記になる。この例の場合は30秒後。使用したばかりの場合はリキャストタイムが、装備したばかりならばエクイップディレイがカウントされる。
- (C)はリキャストタイムで、いったん使用するとこの時間の間は使用できない。この例の場合は30分に1回。
- (D)はエクイップディレイで、装備してからこの時間の間は使用できない。
使用後に装備を外し、再び同じアイテムを装備した場合は、リキャストタイム(残り時間)かエクイップディレイの、どちらか長い方が表示される。なお、装備を外していてもリキャストタイムのカウントダウンは進行する。
リンクシェルコミュニティでのキャラクター毎の「現在のジョブ/装備」のアイテムインフォでは常に未使用の状態で表示される。
性能に関しての補足
1度でも使用してしまうと競売への出品ができなくなるが、この状態でもトレードやバザーはできるため、これらの手段でエンチャントアイテムを購入する場合は詐欺行為を受けないよう注意を要していた。しかし、2006年2月のバージョンアップにより、未使用かそうでないかが文字の色で簡単に判別できるようになったため、こうした問題は回避できるようになった。とは言え、まだまだ使用回数0のアイテムを寝バザーで高額出品している者は絶えないため、注意が必要である事には変わりない。また、エンチャントアイテム及びストックアイテムは、チャージ数の再充填も不可能*3。規定回数を使い切ってしまうと、もはや店に売るか分解で素材を取り出すか、あるいはNQ品として使い続けることくらいしかできなくなる。
その他の性能は、合成で造れるエンチャントアイテムならベースとなる装備品のNQに準ずる*4上記の「コーテッドシールド」の場合は、ベース品の「オークシールド」となる。
エンチャント効果を得た後エンチャントアイテムを外した場合、エンチャント効果が消えてしまう物(ヘイストベルト等)と、消えない物(リレイズゴルゲット等)がある。
エンチャントアイテムは使用した瞬間から発動までに10秒ほどかかるものが多く、更に使用後に6秒ほどのコマンド受付無効時間があるものが多い。危機的状況で即座に使うには遅すぎると言わざるをえない。どちらかというと、危機的状況にならないように先読みして使うような、「転ばぬ先の杖」的運用が適しているといえる。なお、アドゥリン以降に実装されたエンチャントアイテムは、受付無効時間は0秒(無し)である。
/itemコマンドでも使用可能だが、使用可能になっていない状態ではコマンドが無効となる(持ってない魔法や使えない魔法を/magicで詠唱しようとした時と同じ)。使用可能な状態でエリアチェンジ直後に使いたい場合は最速の使用方法となるため、覚えておいて損はない。
使いどころ
利用価値が高い効果が得られるとはいえ、言い方を変えれば「当該効果の回数券」のようなものであり、これらのアイテムの価格を考えるとレベル上げ中にガンガン使って・・・といったような用途には向かないものばかりであった。最近では、ブレスマントやハイマナワンド、ルセントシリーズのような長期に使用でき価格も安価なものも幾つか出てきており、レベル上げ中での運用も見られるようになってきている。その一方で精霊エンチャント武器のような謎性能品も追加されているため、見極めは今まで以上に重要になっているともいえる。一般的には薬品を用意するのと同じ感覚でこれらのアイテムが利用される。特にリレイズが顕著で、サルベージやレベル制限のかかるBF、サポートジョブが無効になる限界クエスト5など、死ぬ危険度が高いのに突入すると魔法のリレイズができなくなるその前に使用されることが多い。
これらエリアは突入と同時に魔法や薬品のリレイズが切れてしまうのだが、エンチャントリレイズならば事前の効果が切れないのも大きい。
その他、デジョンカジェルやテレポリングなども比較的需要は高い。メインでデジョンやテレポが使えない、サポートジョブに移動魔法を使えるジョブが適さない場合に便利。
その他
レベルシンクで基準レベルの冒険者がレベルアップし、レベルシンクが解除されてもエンチャント効果は消えない。エンチャントアイテム使用後、一定時間アビリティやアイテムが使用できなくなる時間が存在する。アイテムの場合、ゲージが100%まで伸びるが実際は発動しない、という結果になる。麻痺と似たような表現になっているが、ロストはしないので安心して連打しても良いだろう。他にエンチャントアイテムの特異な性質として、インビジ中に使用しても"インビジが解除されない"というものもある。その場合エンチャント効果は発動するがインビジ効果は消えずに継続する。何かと通常アイテムとは似て非なる性質を持っている。
余談
装備品を使うことでなんらかの効果が発動する、というシステムは実はFF1の時代から存在していた。有名所ではレイズサーベルのクラウダやディフェンダーのブリンクなど。当時の魔法は回数制*5でダンジョン内で回復することができず、おいそれと使うことができなかったためこれらの装備品による魔法効果は冒険を楽に進める上で欠かせないものであった。以降のシリーズでも特定の装備品を戦闘中に使うとなんらかの効果が発動するというシステムは受け継がれてきたが、FF6を最後にこのシステムは途絶えてしまっていた。FF11でのエンチャント効果は、この系列のシステムとしては実に5シリーズぶりの復活と言えるだろう。
なお、こういった装備品を使うというシステムはFFだけでなくドラゴンクエストにも採用されているシステムでもある。