- ファイナルファンタジーXIの5つ目にあたる拡張データディスク。当項目で解説。
- 第1項で追加される一連のミッション、こちらに関しては【アドゥリンミッション】項を参照のこと。
プロローグ
神聖アドゥリン都市同盟。天晶暦700年後期。
アドゥリン王家と、十一の名家との協議の結果。それまでの王政は廃止、結成された。
その発展は目覚しく、いまや、ジュノ大公国に並ぶ海洋貿易都市として、噂も名高い。
荘厳な居城たたずむ、東アドゥリン。貿易の要ともいえる街の玄関口である、西アドゥリン。これらの2つの区画から成る。
ここが、新たなる冒険の拠点。
→アドゥリンの魔境特設サイトより
概要
中の国から西方に位置する「ウルブカ大陸」と、周辺の群島(神聖アドゥリン都市同盟)が冒険の舞台となる。魔境の「開拓」が重要な要素として フィーチャーされており、開拓を進めることで未知のエリアやアイテムが発見されたり、ストーリーが展開されていく。
2013.3.27に実装され、翌日午前11時にプレイ開始可能となった。
アドゥリンの魔境で実装された主な内容
リリースと同時実装
- 2つの新ジョブ(風水士・魔導剣士)の追加
最強装備であるレリックウェポンやエンピリアンウェポンは装備不可であるが、ミシックウェポンに近い位置づけのエルゴンウェポンが風水士は片手棍、魔導剣士は両手剣として実装されている。
- ミッション「アドゥリンの魔境」
プロマシアミッション以来の章仕立てになっており、アドゥリンエリアを舞台とした物語が展開される。
- 多数のクエスト
報酬が経験値や戦績を獲得できるクエストが多い。また開拓に必要なスキルや移動に便利なウェイポイントの記録などのクエストもある。
- コロナイズ
局地戦の「レイヴ」や、クエスト方式の「ワークスコール」が実装。
- スカーム
レベル99向けの攻略型バトルコンテンツ。
難易度・エリアの広さ・報酬の数をプレイヤーが設定し、新しい装備品の入手や強化を行う。
設定は、様々な方法で入手できる彫像パーツ「スタチューセグメント」(頭・胴・足)を組み替えることにより変化する。
- 多数のエリア追加(アドゥリンの魔境実装時)
西アドゥリン/東アドゥリン/ララ水道/ララ水道〔U〕/ヤッセの狩り場/ケイザック古戦場/エヌティエル水林/モリマー台地/シィの門/モーの門/シルダス洞窟/シルダス洞窟〔U〕
アドゥリンの魔境を必要とするエリアはこの後も順次追加されている。こちらについては【アドゥリンエリア】項を参照。
- 多数の新たな種族のモンスター追加
ヴェルク族、トウィザリム族、チャプリ族、マタマタ族、ハートウィング族、クラックロー族、アクエフ族、アンブリル族など、新たな種族のモンスターが多数追加された。
その後のバージョンアップで実装
実装日 | コンテンツ | 概要 |
2013.4.30 | メナスインスペクター | ワイルドキーパー・レイヴおよびスカームを攻略した、レベル99のプレイヤー向け高難易度バトルコンテンツ |
2013.7.9 | モグガーデン | 採集などが行えるプライベートエリア |
2014.7.8 | モンスター飼育 | モグガーデンでモンスターを飼育して様々な恩恵を受けられる |
2014.8.12 | アルビオン・スカーム | スカームの高難易度版 |
2014.9.9 | インカージョン | ヴェルク族の巣窟で行われる高難易度のバトルコンテンツ |
2015.3.26 | ベガリーインスペクター | 三魔君と戦える高難易度のバトルコンテンツ |
2015.8.5 | シニスターレイン | アドゥリンミッションに登場したNPCと戦える高難易度のバトルコンテンツ。 |
評価
6年ぶりの拡張データディスクとして発表された。発表から発売までの約1年を準備期間として設け、公式フォーラムなどを通じて情報のやり取りが行われた。
完全な新エリア、新ジョブ、新コンテンツ、壮大なストーリーなど様々な期待を受け発売されたが、発売後しばらくは実際にプレイすることができたのはその一部であった。
バトル関連では、全てのモンスターがレベル100以上で極めて回避が高いため、レベル99かつ装備がそれなりという水準に達していないプレイヤーは戦闘に全く関われない。この点についてはエミネンス・レコードの実装とともにIL117までは容易に上げられるようになったことでハードルは大きく下がっている。
新コンテンツのレイヴは貢献度の算出方法が調整段階の域を出ておらず、実装以降は何度か調整変更のバージョンアップが繰り返された。
バトルコンテンツのスカームは、参加するためのアイテム(スタチューセグメント)が実装当初は非常に希少で、超高額で取引されていた*1。
結果、これまでの装備群や戦術を完全に否定し、そのうえで構築した、ひどくぞんざいなバトルバランスのまま実装された。
なお、実装されたマップの半分近くはコロナイズ・レイヴを越えなければたどり着くことができず、場所によってはフロンティア・ビバックの維持がままならず、1度開通してもすぐに消滅してしまうこともあった。
加えて、伐採や採掘といった行動には「疲労」の概念が新規に導入され、回数制限が設けられた。また、アドゥリンエリア専用の道具を用いなければ高い破損率に設定されていた。
期待されたその他の要素では、モンスタープレイやモグガーデンが未実装。
ミッションはすぐ終わってしまい内容はほとんどない。新ジョブは調整不足で方向性が全く見えないままであった。
あまりの惨状に「年度末の決算前*2に間に合わせただけなのではないか」と厳しい見方もされていた。
また、プランナーの谷口勝氏をはじめ、開発スタッフから(話題の提供なのかもしれないが)不用意な発言が相次ぎ、松井ディレクターはその謝罪や釈明に追われるなど不安な船出となってしまった。
その後は大小のバージョンアップを経て、徐々にではあるがプレイヤーに満足の行くものを提供しつつある。
しかしこういったことから、これらの方針は「有料β」とも言われる始末である。アドゥリンの魔境のキーワード「開拓」とは、開発がこれから開拓していくという暗示であったのだろうか。
経緯
- 2012年6月23日:A DECADE OF FINAL FANTASY XI VANA★FEST2012で正式発表された。
- 2012年6月23日:→「アドゥリンの魔境」特設サイトオープン。
- 2012年12月27日:「アドゥリンの魔境」発売日が2013年3月27日に決定、合わせて新プロモーションビデオが公表される。
- 2012年12月28日:関連する読み物第1弾が公開。以降順次読み物が公開される(外部リンク参照)。
- リリースに合わせ、「経験値2倍キャンペーン」など何回か記念キャンペーンが行われている。詳細は【『アドゥリンの魔境』リリース記念キャンペーン】を参照。
- 2013年3月27日:パッケージ版及びダウンロード版の発売。パッケージ版は事前予約があったが、ダウンロード版は当日午前10時から発売開始。
- 2013年3月28日:午前11時、アドゥリンの魔境のコンテンツがプレイ開始可能となる。
余談
PlayStation2版「アドゥリンの魔境」拡張データディスクは日本国内で発売されるPS2タイトルとしては1年4ヶ月ぶりの新作となる。ハード本体の生産終了後に発表・発売の新規タイトルという点でも、極めて異例といえる。
外部リンク
→「アドゥリンの魔境」特設サイト→紐解かれる─魔導器─ウェイポイント奇譚 (2012/12/28)
→アドゥリンの紋章 (2013/02/06)
→神聖アドゥリン都市同盟 (2013/02/20)
→ワークスに関する報告書 (2013/03/07)
→大地の力を導く「風水士」 (2013/03/21)
→ルーンの担い手「魔導剣士」 (2013/03/25)
関連項目
【ジラートの幻影】【プロマシアの呪縛】【アトルガンの秘宝】【アルタナの神兵】【神聖アドゥリン都市同盟】【ウルブカ大陸】【西の国】