砂丘時代

記事名読み
さきゅうじだい
主にLv10台中盤~後半の、いわゆるパーティプレイ初期を総称した言葉。
このレベル帯での経験値稼ぎで最もポピュラーなバルクルム砂丘の名を冠しているが、ブブリム半島シャクラミの地下迷宮コロロカの洞門など、同レベル帯における狩り一般を指すこともあるようだ。

このレベル帯は各ジョブの特色が見え始める段階であり、そのジョブに適した役回りを認識し、そして慣れるために最も重要な段階である。それゆえか、時折思いもよらないプレイヤーに遭遇することもあるが、それもまた砂丘時代の醍醐味と言われる。しかし、ジョブの特色が見え始めるということは即ち「誘われやすいジョブ、誘われにくいジョブ」の差が微妙に感じられ始めるレベル帯でもある。

また、パーティプレイに慣れないプレイヤーや、先述の通りそのジョブの役割を明確に把握していないプレイヤーが多く、死亡率も高い。その一方で、ジョブの基本的立ち回りを認識できる絶好の機会であり、デスペナルティも軽微なため、トレーニングには格好の舞台である。

なお、初心者にもかかわらずPLソロプレイ
注釈1
最近は特にFoVの導入により、このレベルはソロで通過しやすくなっている。
でレベルを上げて、砂丘時代を事実上スキップしたプレイヤーの中には、まともなプレイヤースキルが身についておらず、後衛に向かった敵に挑発を入れない戦士や、ヘイト度外視で開幕から強い順に精霊魔法を打ち込む黒魔道士MPが切れても殴り続ける白魔道士などに育つ者が多かったりする
注釈2
これは海外プレイヤー流入直後に顕著に見られた。海外の他MMOではPLが当たり前で、日本人プレイヤーほど効率やプレイスタイルに固執しなかった。そのため同じように育ったプレイヤーはこのようなプレイスタイルが当たり前になってしまっていた。


ヴァナ・ディールの交通利便性が今ほど発達していなかった時代は、レベルに関わらず何かと砂丘を横断する必要があった。そうした際に、通りすがりの高レベルプレイヤーに危機を救われたり、その凛々しい姿に憧れたり、また道案内を頼むなど、小さな出来事が少なからずあったという。そういう意味では砂丘時代は、不特定多数のプレイヤーとの出会いの最初期とも言える。

昨今では警備隊トレインを見なくなって久しいが、砂丘時代を思い出して懐かしくも寂しく感じる古参プレイヤーは少なくない。これも時代の流れであろう。

ファーストジョブの際にこの砂丘時代をどう過ごしたかは、そのプレイヤーにとっての原体験となり、その後のプレイスタイルに大きな影響を与えていると思われる。

2014年現在の砂丘時代
上記の通り、パーティプレイを学ぶ上でとても重要であるはずの砂丘時代であるが、昨今では必ずしも有効に機能しているとは言い難い。

サービス開始初期のレベル10台といえばソロでのレベル上げに行き詰まりを見せるころであり、否応なくPTを組まなければならないレベル帯であった。

しかし昨今では、

といった難易度低下・緩和措置により、レベル上げPTを組むことはもはや必須ではなくなっている。

また、海外でのサービス開始と外国人プレイヤーの流入により、「パーティプレイの聖地」と称されたバルクルム砂丘の環境が大きく変わったことも見逃せない。

具体的には、日本人、特にベテランプレイヤーを中心に、言葉の通じない外人や当たり外れの大きい外人パーティを避け、砂丘時代を代表とする低レベル帯をソロ固定パーティで駆け抜ける傾向が見られるようになった。レベルシンク少人数PT向けのボーナス等により、LSフレンド等、友人同士だけで必要人員を完結出来るようになったことも大きく作用し、ベテランプレイヤーの多くはわざわざ野良PTを組む必要性がなくなってしまったのである。

さらには2009年以降アスフロMMMが普及するに至り、経験値効率の面でも大きく後れを取ることとなった。最大30分のMMMを6回こなすだけで砂丘時代クフィム島までのレベル帯をスキップすることすら容易となり、こうした狩場レベル上げパーティを組む意義はさらに乏しいものになってしまった
注釈3
ただし、アスフロMMMができる=最低でもレベル30のジョブがあるということであり、そこにいたるまでの最低限の情報はあるとは思われるが。


かくして日本人の経験者が砂丘を去った結果、当地で組まれるパーティは時間帯によらずほとんどが多国籍または外人パーティというのが現状であり、砂丘時代プレイヤースキルを学ぶ必要のある初心者達が、パーティスキルを十分に磨くことができないと言う問題が出てきている。

言葉が通じなければ
注釈4
言語間のコミニュケーションはMMOの醍醐味のひとつともいえるが、日本人が最も不得意とするところでもある。もっとも、言葉が通じたところでMMOに対する感性の違いが大きいということは、たいていのプレイヤーが認識していることである。
自分の立ち回りについて助言を得ることができず、プレイヤースキルの向上も見込めない。また、野良パーティにおけるパワーレベリングも国籍問わず横行しており、戦闘における基本的なセオリー
注釈5
迎え挑発連携敵対心管理、MP管理、敵の特殊技への対策……等。
や、各ジョブごとの役割を認識する間もなくレベルだけが上がっていくという傾向が、特に砂丘時代パーティにおいて顕著なものになっている。

もちろん、熟練者に初心者を教育する義務があるわけではないのだが、結果として2009年現在の砂丘が「パーティプレイの登竜門」という往時のイメージから程遠い場になっていることは否めない。むしろ、外人パーティの慣習を半強制的に叩き込まれる場、とした方が適切といっても過言ではない。それが合う合わないは個人の主観にゆだねるが、今現在もって日本人プレイヤー砂丘エリアでほとんど見かけないことからも明らかであろう
注釈6
もっとも、効率を考えたら他にいいところがあるから減っている、というのも事実。


こうした影響から、昨今ではバルクルム砂丘の後に続くクフィムエルシモ島などの狩場、さらにはアトルガンエリアのような高レベル帯のレベル上げにおいても「初心者」プレイヤーが多く見られる傾向にあり、驚きを隠せないベテランプレイヤーも少なくない。

Lv50くらいまでは簡単に上がるようにという開発方針が生み出した、一つの副作用と言えるだろう。

これらはフェローに加えて便利なNPCを最大3体まで呼び出せるフェイス実装によってさらに顕著になり、多くのジョブの特徴も知らず、戦術もわからず、とにかく敵を袋叩きにすればよい、という認識を広める下地となってしまっている。擬似的なパーティープレイによって戦闘自体は容易なものになるが、戦術が身につかないという意味ではあまり望ましいこととは言えない。

さらにエミネンス・レコードによって驚くほどの経験値をたやすく稼げるようになったことで、もはやレベル上げのためにPTを組むという概念すらも過去のものになりつつある。
砂丘デスペナルティにおびえながらも稼いでいた経験値の数倍、数十倍をものの数分で得てしまうことは効率的ではあるし、先行プレイヤー達に追いつくという意味では後続プレイヤー達にとってありがたいものであろう。一方で、あまりにも「山」を低く、登りやすくしすぎることで達成感や成長していく喜びを奪いかねないのではないか、と懸念する声もある。

また、副次的な作用として、エミネンス交換による装備が提供されるようになったため、ほとんどギルを消費せずにカンストまであげられるようになった。
そのためレベル上げ以外のプレイを必要としないプレイヤーも多くなってしまい、他のコンテンツの遊び方を知らないという大変もったいないケースも散見される。

その後
敵を倒した際に得られる経験値の大幅増加、ヴァラー対象エリアの拡大などの要因により、ますますPTの必需性は薄れていった。
少なくとも砂丘時代と呼ばれるレベル帯は「ソロの方が稼ぎが良い」と言われるほどである。

そしてアビセアエリア実装により、砂丘だけでなく、カンストまでまともなパーティプレイを経験せずに上げきってしまうプレイヤーも見られるようになった。
当然ジョブとしての動きやスキルは伴わないことが多く、その存在は何かと問題視されるようになる。
このあたりの詳細は「箱産」を参照していただきたい。

経験値まわりの調整を見るに、開発としては早くカンストさせてエンドコンテンツを遊んで欲しい、と考えているのかもしれない。
「過去にあった普通のレベル上げPT」が減っていく様を見て、フォーラムではそれを悲しむ声も散見された。
砂丘での初パーティプレイが話題に上ることもあり、何だかんだ言っても冒険者にとって思い出深い場所、経験なのだろう。

関連項目
砂丘合宿】【トレイン】【警備隊

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