Trion/ネタバレ

記事名読み
とりおん・ねたばれ
トリオン王子がサンドリアを代表する脳筋勇者気質の持ち主であることは隠しようもないのであるが、丹念に彼の言動や行動を読み進めていくと、彼なりの考えや想いがわかってくる。
……考えるよりも行動するタイプには違いないのだが。

クリルラとの関係
かつて剣技大会の決勝で現神殿騎士団クリルラと手合わせした際、砕けたトリオンの剣の破片がクリルラの片目に刺さり、失明させてしまう。このことを気にしており、以来クリルラとは互いに距離を置くようになる。
だが、トリオンは好敵手や過去に癒し難い傷を負わせてしまった相手としてだけでなく、もっと別の感情をクリルラに対して密かに抱いているようでもある。

「兄弟喧嘩」と揶揄されることの多いサンドリアミッションであるが、その実は教皇シャマンドの策略
注釈1
ただし悪意があった訳ではなく、「楽園」を強く追い求め、エルドナーシュの甘言につられたこともあり、手段を選ばなかったと言ったほうが正しい。自分の立場や国、王族を利用していたので、悪事には違いないのだが。
に演出されていた部分が大きい。実際、ピエージェの指南役としてシャマンドは振舞うが、同時にトリオンピエージェの距離を離そうとしていた部分も見受けられる。
その為、根っからの行動派であるトリオンピエージェを腰が重いと苦々しく思っていたり、ピエージェも慎重さを欠くトリオンの行動には苦言を呈していた。だが、光の継承者においてピエージェトリオンの武運を祈っているし、トリオンもまた自分にもしもの事があってもサンドリア王国ピエージェに託せると考えている旨の発言をする。周囲の思惑はどうあれ、心の底では深い信頼で結ばれている事が伺える。
そしてなにより、トリオンピエージェ双方の間に生まれた溝の根本的な原因は、母ローテを病魔から救えなかった二人が感じた無力感から生まれたものではないか、とトリオン自身が推測している
注釈2
ミッション成人の儀」を受けた後でトリオンの部屋に行くと、トリオンから話が聞ける。


アトルガンの秘宝における働き
アトルガンミッションにおいて、トリオンは若かりし頃にアトルガン皇国に留学していたことがわかる。
注釈3
ハルヴァーによると、かつてサンドリアアトルガンタブナジアを通じて盛んに交流が行われており、クリスタル大戦後も儀礼的ながら交流が続いていたとのこと。

そしてナシュメラ2世とも面識があり、彼女から「トリオン兄さま」と呼ばれるほど慕われていた。
注釈4
クレーディ王女という妹がいる彼は、ナシュメラ2世にとってもよき兄貴分だったのだろう。


このことから考えると、身分を隠し「黄金の騎士」としてアトルガンへと赴き、その後もトラビアルスを潜伏させ情報収集をさせていたのも、政治的意図よりも先にナシュメラ2世の身を案じてのことと思われる。
注釈5
国同士の繋がり以前に、人間関係を大切にする彼の性格の一端をうかがうことができる。



結局、トリオン王子って?
脳筋、体育会系、バカ王子と呼ばれがちであり、確かに知的センスや慎重さは不足しがちである。
また、祖先である戦王アシュファーグを尊敬しているらしく、戦王の残した「論より走れ」という言葉を実践しているため、かなり先走る癖がある。
だが、アトルガンミッションでみられるように、実は政治的な駆け引きや配慮をこなす才覚もあり、獣人であっても人となりを見て交渉をもつ鷹揚さも兼ね備えている。また、その意思の強さと行動力に関しては三国の要人の中ではトップクラスの人物であり、裏表のない性格、真っ直ぐな生き方は人間として羨ましいと思う人も居るのではないだろうか。
まさにサンドリアエルヴァーンを象徴する人物と言える。

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