メモリの関係で

記事名読み
めもりのかんけいで
開発スタッフが使う説明の1つ。ここでのメモリはコンピュータ(家庭用ゲーム機やパソコン)の一次記憶装置(メインメモリ)のこと。
ある意味魔法の言葉のように用いられることから、「メモリ」と揶揄されることもある。

ソフトウェア開発者が誰しもぶち当たる、使用可能なメモリ量の壁が存在する。家庭用ゲーム機専用として開発されたソフトウェアでは実行するハードウェアが限定されるため、ハードウェアのスペックに合わせて(妥協して)やりくり次第でなんとかなる場合が多いが、パソコン用のソフトウェアでは異なる複数のハードウェア・環境構成に対応する必要があるため、そう簡単にはいかない。
特にMMORPGバージョンアップによる大幅なデータの追加を必要とするため、当初予定していたメモリ利用計画が成り立たなくなるケースがあり、新しいコンテンツが提案される度に頭を抱えるという。

FFXIにおいてもこれは例外ではない。2016年4月までは、FFXIPS2WindowsXbox 360と3種類のハードウェアに対応していた。特にPS2のメモリの少なさには開発者が頭を悩まされる事が多く、湯水のようにメモリを使える(ことが多い)PCに合わせて設計すると、とても実装できないものになるケースが多々あるらしい
注釈1
プラットフォーム間で内容に差異を設けないという、マルチプラットフォームのポリシーの宿命である。Windowsに一本化されたことで、メモリの制約から解放されることを期待する声もある。

一口にメモリといっても、FFXIでは以下の3種類が存在する。


パソコンに詳しくない人は混同しやすいが、二次記憶装置(HDDなど)の容量とはほとんど関係が無い。
また、サーバーと常にやり取りするための通信データ量も、関連はあるが直接的には異なる。

FFXIでは「メモリの関係で実装できなかった」という表現がしばしば用いられるが、これには3つの理由が考えられる。


例えば、プロマシアの呪縛実装時「これ以上の武器防具グラフィック追加は、メモリの関係上難しい。」と言われていたが、アトルガンの秘宝では専用のグラフィック装備が頭・胴・手・脚・足と一式揃って多数実装され、とてもメモリが足りないとは思えなかったという結果となっている。
注釈2
装備や敵のグラフィックは「同時に画面内に表示させる分」だけ確保できればいいので、本気で実装できないと思っていたのかは疑わしい。

また、ビシージにおいても「メモリの関係上、700人が限界」と言われていたが、テンポラリアイテムの追加や新たな巨大な敵、敵の数の増加と、本当にメモリが足りなかったのか疑わしいこともある。
注釈3
バージョンアップ情報に記載されていなくても、メモリ管理の最適化が行われることは普通に考えられるため、これらの成果と取ることもできる。単なる見積もりの甘さ、設計ミスを否定することはできないが


なお、開発曰く「ナイズル島アサルト」の地形の単純さは、「メモリの関係上、あれが限界だった」という話である。同時に多数のエリアを展開しなければならないインスタンスエリアであるため、メモリの制約は強いと考えられるが、、、

また、マイバッグモグ金庫収納モグロッカーモグサッチェルの上限が80個なのも、PS2のメモリの制約が原因であるという。
更に、2011年5月のバージョンアップで配置されたウィンダス連邦担当のアビセア関連NPCがアクセスの劣悪な天の塔に配置されたのも、PS2のメモリーワークの関係でと理由付けられている様だが…。

最後にネタに反して、弁護する内容になってしまうが・・・
参考までに、PS2メインメモリは32MB、ビデオメモリ(VRAM)は4MBとなっている。PC版の最低動作環境
注釈4
メインメモリ128MB、VRAM32MB。但しPCではFFXI以外にもOSやら他のアプリケーションやら他にもいろいろ同時に動かすため単純比較はできない。
だが実際この最低動作環境のPCではまともにプレイする事はおろか近年のOSを動かす事すらままならないだろう。
と比べても、遥かに少ない容量であることが分かる。
ちなみにPSPメインメモリ32MB、VRAM2MB
注釈5
画面が480×272ピクセルと小さいのでこれでも十分なのである。
であるから、PS2はPSPとほぼ同等のメモリしか搭載されていないのである。
PS-Vitaに至ってはメインメモリ512MBにVRAM128MBであるから、小さいながら性能ははるかに上である。
そんな旧式の携帯機にすら負けそうな機器で、こんなに大きなゲームが動いているというのは逆に驚きである。

それから、メモリを最大まで使い果たしてしまうとスワッピングが発生し、画面がガクガク、オンラインゲームでは致命的なリアルタイムな処理が出来ず、処理が追い付かずに最後はフリーズ、最悪の場合PS2本体が破損、、、という事になってしまうので、開発側の意図としてはメモリにはある程度余裕を持ちたいものと思われる。

コメント表示/書き込み コメントはありません